2018年12月15日

食と農のバイオ技術W

先ず蛇足一題。昨日は妹を含む3人で忘年会。予約時間に会場へ車で向かう。

忘年会、この一年の苦労を忘れるために行われる宴会とある。そうでなくとも

最近は忘れてしまう・・・必要!?この一年の良かった事も思いだせない!?

だが、小生はこのブログが備忘録となっているからそのようなことは無い。

デジタル社会、便利だ。昨年のこの日にこのような事がありましたと写真で

知らせてもくれる。平日金曜日の昼の忘年会、会場は多くの客で大繁盛。

この14日金曜日が今年の忘年会の最盛日であるようだ。

さて本題。第4回目の講義、今日の内容は育種に向けた研究の具体例、

イネとコムギ。スライド約50枚で定刻時間超過で講義。その概略を紹介。

先ず害虫のお話。日本では余りお目にかからないが「トビイロウンカ」が九州

の一部、沖縄に発生、東南アジアではインデカ米で大被害。昔、日本でもうん
かなどの害虫駆除の祈りの行事が記録されている。米作農家が害虫に苦労して

いたことが伺い知れる。だから、人間はこの害虫の抵抗性をもったイネの育種

の開発を目指す。最近では、遺伝子操作、バイテクノロジー技術を用いて。

植物が育つ自然環境は厳しい。気温、水、光、風、栄養素、害虫(昆虫)、

動物の食害、他の植物との競合などで生育は大きく左右される。 先ず、

トビイロウンカの説明。@水分や栄養分を吸い取ってイネを枯らす Aウィルス

病を媒介する(病害媒介害虫)その防除法は、@殺虫剤駆除(しかし、耐性が

出来る)A抵抗性イネ品種の導入。日本で発生するトビイロウンカはジェット

気流に乗って中国大陸から移動してくる。世代交代が早く、飛来の第一世代で

は無く、第二、三世代が害を及ぼす。日本では越冬できない。体長4〜5mm、
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飛翔力のある長翔型とない短翔型が存在、翔も変化する。以降、一寸専門的説

明に入る。イネ遺伝資源(在来種、野生種)に存在する30以上のウンカ抵抗

性遺伝子が同定され、11以上の抵抗性遺伝子がマッピング(染色体上で同定)

され、2つがクローニング(単離と構造解析)された。要するに多くの資源の

中から最適な抵抗性遺伝子が2つ見付かったと遺伝子配列写真で以て証明。

まるで研究論文発表のような難解な講義。 もう一つ余計な専門的知識を。

「フランシス・クリックのセントラルドグマ(中心原理)、遺伝情報は一方向

に流れる」DNA → RNA → タンパク質 → 形質(特徴・性質)という各転

写、翻訳、代謝の各過程 を一方向に流れていくが、エイズウィルスやインフ

ルエンザウィルスは、この流れに逆らい逆転写が起き、いろいろな〜型ウィル

スと呼ばれるように変異、増殖していく。     以降のDNA配列や

  タンパク質合成の設計図、クローン(転写産物)等々は省略。

このようにして遺伝子組み換え大豆ではないが、トビイロウンカに強い耐性を

持つ遺伝子組み換えのイネを育種。それ以降の目標は、加害力遺伝子を知る、

加害型出現メカニズムを知る、複数の抵抗性遺伝子の同時導入等で最終目標は

総合防除 という。最前線から離れた?が教授の衰えぬ探究心を感じる。

次にコムギの低温耐性システムをイネに導入して北方領土で稲作を!!という。

このコムギ、冬コムギと春コムギがある。栽培期間の長い冬コムギの収量は春

コムギの1.5倍、春コムギ(春蒔き)は寒さが弱い地や極寒地で栽培される。

春化:一定期間の低温を経験することで幼穂(花芽)形成のスイッチが入る。

エンドウなども同じ部類。春コムギは冬コムギから生まれた。

春コムギは春化が不要。この低温耐性をタバコにも遺伝子導入。

その他の問題に、イネ(田)の洪水、冠水、浸水、湛水(気候変動)被害が大。

日本の被害はイネでは耕地面積の20%、31万ha、ムギは統計なし。

この冠水ストレス耐性を持つイネ、コムギの育種、バイオテクノロジーが進行

中。近年、生命科学の技術が超スピードで進行中、解明で変化が起きるだろう。

定年退職した教授、第二の職場の大学の農学部で若い学生と一緒に学問に励む。

その探究心、好奇心は今もって盛んと感じた。何故なら、昔ならある遺伝子情

報の解読に10年などと時間がかかっていたが、今では30分で結果が出ると

いう。解読結果が分かれば、更なる探究心が芽生える。教授は小生と同年代。

この2年、線虫や昆虫や植物のコムギ・イネと農学部の講座を学んだ。講師は

この分野の研究者、時に面白いなぁ そして感心しながら聴講。対象は昆虫に

植物、一瞬、進むべき道を誤った?!と錯覚を覚える。農学部も面白いなと!
京都駅に戻り、地下街で昼食を摂り、休憩し、百貨店をぶらり、買い物をして

最寄りJR駅から歩いて家路に。途中にあるバス停でバスに乗ろうと思いなが

ら。しかし、来るはずのバスは来ず、遂に家まで辿り着きました、3.9km。

徒然に、あるがままに・・・つくづく述懐。
      長き恣意的環境下により増殖した後天性免疫細胞
            マクロファージで一掃を乞ふ  (不条理をなくす会代表)
       
*加筆推敲中
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2018年12月01日

食と農のバイオ技術U

3回目の講義。育種に向けた研究の具体例 :酒米  が今日の講義内容。

@お酒の話を少々   酒米の、A特性と起源   B遺伝的多様性  C遺伝・育種

その内容の一部を紹介(スライド43枚)。  酒に纏わる詩は古来から多い

 山中幽人と對酌す   <李白>
   兩人對酌 山花開く
   一杯一杯 復一杯
   我醉うて眠らんと欲す 卿且く去れ
   明朝意有らば 琴を抱いて来たれ

日本酒は日本独特の酒、紹興酒は糯(モチ)米、白酒はコウリャン、トウモロ

コシ、ジャガイモ等、マッコリは小麦、日本酒は粳(ウルチ)米。

日本酒の醸造法は、主原料となるのは米のデンプン → 麹菌による米デンプ

ンの糖化(+酸素) → 酵母によるアルコールの発酵(非酸素)

麹菌が酵母に糖を供給し続けると同時に酵母によるアルコール発酵が進む。

アルコール高生産酵母・・・他種の酵母と異なり清酒製造に適した性質を数多

く持つ。微生物としての酵母が分離される以前(昔)は、蔵に住み着いている

「蔵つき酵母」或いは「家つき酵母」と呼ばれる自然界に存在する酵母により

醸造が行われた。

酒造好適米に求められる玄米の特性は、@大粒であること A大きい心白

酒米の代表種は山田錦。滋賀県の渡船(母)と兵庫県の山田穂(父)からの産。

山田錦は兵庫県(灘)、五百万石は新潟、富山等北陸県、その他 美山錦等々

兵庫県は山田錦を外部に出さない、提供せず独占。

これらの米は作付けが難しく、何れの品種も作付面積が近年減少している。

「山田錦」を使用した吟醸酒の割合が低下しており、新品種が登場している。

酒米の品種改良には食用米のDNA(バイオテクノロジー)が導入されている。
   形質表現型値環境分散                  遺伝子の特徴
質的形質  状態  なし主となる(主働)遺伝子が形質を規定する
量的形質  連続量  あり複数の(微動)遺伝子が同程度に作用する

 遺伝率 P=G×E   P:性質・形質  G:遺伝子  E:環境

性質・形質は、遺伝子のみでなく、育成環境に左右される。

美味しい日本酒を求めて新品種の酒米が日々追求されている。

近年ではバイオテクノロジー技術を以て試みられている。レジュメには多くの

グラフ、写真、表、図等のデーターで説明されている。故にこの場で、短く、

詳細な説明は困難。端的に言えば美味しい酒を求め、酒米の品質改良が進めら

れている。酒米に適した形質を残し、収穫量が多く、病気や自然環境に強く、

連続性(代々引き継がれる)が求められる。最近では交配から、バイオテクノ

ロジー技術によって重要形質を支配する遺伝機構を理解、活用するために、

ゲノム多形を用いた新たな解析手法を開発した、という。酒米の遺伝・育種で

は、交配、葯培養から約10年余の時間を費やし新酒米「杜氏の夢」が生まれ

た。講義最後の落は講師である教授時代の酒造作品の披露。この新酒米を用い、

講師が農学部長である今から13年前、大学の圃場で播種、田植え、収穫し、

大学ブランドの酒、純米大吟醸「神戸の香」が誕生。  が、高くて売れないと。

12時半に講義は終わり、大学近くで昼食後、地下鉄で京都駅に向かう待合

ホームで1歳上の同講師とばったり、暫し談義の時。小生のみ京都駅で下車。

いつものように駅デパートでウィンドショッピング。面白い商品を見付けた。

今日の講義は酒米の話。この日本伝統の目出度い席の酒グッズ、商品に感心。

次に玩具売り場を観て回る。歳とともに幼稚化していき、またも食指が動く。
     ミニ鏡開きセット(菰樽)

帰途、時間も丁度、迷っていたが途中駅で下車し、園芸講演会に向かうこと

にした。先の園芸ボラ研修会で動員要請があった講演会、15時から開演。

本題の園芸の話1/3、それ以外のTV、芸能関係、身の上等の裏話、脱線

話2/3。2時間、とても饒舌な講演者でした。
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2018年11月17日

創設記念式典

大学行事の学部創設記念式典に出席した。記念すべき学部創設70周年に当

たる。小生の生まれた同年に新制大学の学部として誕生した。

2週間前には社会人(入学)同窓会を開催、11月、大学関連行事が多い。

今回は創設記念式典と同窓会を共催、隔年開催で今回は第12回同窓会総会。

経済学部同窓会が設立されたのは新しく1998年、設立20周年でもある。

バスに乗り最寄りのJR駅に向かう。乗って斜め前席におめかしした、見たよ

うな年輩女性が座っている。降車後、声を掛けた。おしゃれして何処へ行かれ

るのですか?!ビックリし、食事会と。近所に住む女性で園芸ボランティアの

仲間。親しいボランティア仲間4人で食事会という。下車後の山科駅で別れ

た。地下鉄東西線に乗り京都市役所近くのホテル会場に向かう。

同窓会総会は12時半から。受付を済ませ、事前に届いた名札を首に掛け、

10歳上の先輩と共に席に着く。式次第に則り進行。2年間の活動報告、収支

報告、監査報告、活動方針、役員改選。暫く休憩後、隣の部屋に移り、創設記
念講演会。講師は日中友好協会会長、丹羽宇一朗氏。民主党政権時、民間人か

ら中国大使に就任。尖閣諸島問題が起きた最悪期である。講演は「戦後の世界

情勢から見た日本と東アジアの関係と今後」氏から見た未来へのメッセージ。

真実は何か、世界にフェイクニュースが多い。戦後70年経ち、日本の現代史

がない。人間は進歩していない。100、150年前と変わっていない、歴史

は繰り返される。今、冷戦が囁かれている。大国の支配者、権力者で世界は大

きく動く。その権力者の都合で歴史を作る。戦争を知らない世代が世界の国の

リーダーになっている。戦争の悲惨さを知っている人が少なくなっている。

それが世界にとっての大きなリスクである。リーダーに勇気が無い、自己中で

ある。中国は米国と戦えば負けることは解っている。歴史的に日中間に大きな

ドンパチは無かった。各国間に利害が絡む。米国、中国、ロシア、日本、朝鮮

半島、難しい問題の5次元連立方程式である。この難しい方程式の正答は平和。

以降、プロジェクターで種々の数字、データー、人口、名目GDP、今後予測

等々が示され、アジアが世界の中で大きな割合、位置を占める。

アジアは24ヶ国、その人口は40億人余、世界に占める人口割合は53%余。

中国と日本でアジアの名目GDPの68%を占める。 

今日本は、種々の不祥事が官民で起きている。トップが頭を垂れ、謝っている

姿がテレビに良く出てくる。企業も国家も信用、信頼が無ければ成り立たない

・・・・・。 以上、少々聞き漏らした、損じた内容があったかもしれない。
満員に埋まった会場はこうして約2時間近く聞き入り、静まりかえりました。

少し休憩を挟んで次は同窓会企画講演会、隣の部屋に移動し、オートバック

スセブンの元CEO住野公一氏のお話。「M-1」グランプリ仕掛け人の”し
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くじり先生” がテーマ。気さくな方で、同窓会会長であり、身内話のように

ユーモアを交えたお話。親爺の車関係の店を引き継ぎ、大きく成長した商売の

話。商売が急成長したある時はレジは万円札でいっぱい。入らないからバケツ

に放り込んだと。話を聞いていて顧客は何を考えているか、欲しているか、困
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っているか、常にお客さんの目線で、心理で考え行動、商売されていると感じ

たもの。次は記念式典、祝賀会へ。上の階に移動し、とても大きな会場に入る。
名札にある記号のテーブル席に向かう。式典、式次第に従い進行。大学男性合
唱団メンネルコール10名余による学園歌斉唱に始まり、総長、滋賀県副知事、
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校友会副会長、大学理事長、来賓等々8名余の挨拶が続く。その後に祝賀会に

移るも冒頭挨拶が有り、こうして約1時間余の長き挨拶を経て祝賀会の開宴。

とても広い会場にはとても多くの同窓生、大きなスクリーンには学部退職者、

現役教員の紹介、バトントワリング、女子学生による威勢のよい応援団のライ
    威勢の良いかけ声           天井が低い!?
ブステージで宴も大いに盛り上がり、周りの若き同窓生と一緒に美味しく 

楽しく戴きました。こうして直行帰宅したのは21時前。

次回の学部記念総会は10年後、この世に元気に存在していればのお話・・・。
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2018年11月10日

食と農のバイオ技術T

今日も新たな情報と知識を求めてアカデミックエリア、京都に向かった。

地下鉄に乗り換え、教室に講義開始20分余前に到着。まだ誰もいない。

暫くすると講師が入って来た。そして、前回約束した自著の本を1冊戴いた。

第2回目の授業、前回より少し出席者が減っている。内容が少し難しかったか

な・・・と、講師。先日の講義を含め、何れも京都大学農学部卒の大学教授

が講師。今日は「伝統育種が安定な食糧生産を支え文明を作った」について。

しかし、詳しい説明は長くなりは困難、それ故、その一部を掻い摘まんで説明。

育種とは生物の持つ遺伝的形質を利用して改良し、人間にとって優れて有益な

品種を育成すること。 その育種とは具体的にはどんな行為か。

優れた形質を@特定し、所在を探す(自然変異) 
      A人為的に作る(誘発的突然変異) 
      B選抜する 
      C増殖し、固定化(安定化)する 
      D実用化し、普及する(品種登録)  という行為。

その目標としては、
@高収量性 A耐病性・耐虫性・除草剤耐性、ウィルス、細菌等々の耐性
B環境適応性(温度、湿度、光、土壌、水などの栽培環境への順応性)
C栽培・収穫・収穫後の作業管理上の特性付与等々・・・発芽・生育・熟期の斉
一性、収穫の容易性(もし、トマトが高い位置に実れば収穫困難)、日持ち等々
D経済的特性の付与・・・品質価値(生産者、消費者に利益がある)

育種の方法には、
@交雑育種 A戻し交雑 B突然変異育種 C雑種強勢育種 D倍数性育種
Dその他(新しい、遺伝子組み換え、ゲノム編集、マーカー支援育種等々)

例として、医学のパーキンソン病、ゲノム編集したips細胞の移植で治療。

植物育種の過程は品質管理のPDCAのサークルを回すように新品種を育成。

大腸菌やショウジョウハエは一世代が、15分、2週間と短いが、イネのサイ

クルは2回/年と長いため、このサイクルを回し、新品種誕生となると10年

単位の長い時間がかかる。

日本には放射線育種場(常陸大宮)がある。半径100mの大規模な圃場で
品種改良のための有用突然変異を誘発するために設置された。中心部から外周

に向かってガンマ線を放射する。 照射によって作られた菊


ガンマ線、X線、中性子線、他放射線、化学物質、その他、間接利用の方法で

2005年時点で1893品種。我が国で育成された突然変異直接利用品種

400品種弱、世界の1/4は日本が占める。

           (中 略)

北海道の開拓顧問となった米国人、クラークとホーレス・ケプロンは、北海道

は低温で稲作に適さないと小麦、ジャガイモ、牛の生産を奨励。しかし、後に

北海道の稲作の父といわれた中山久蔵は明治期に稲作に成功。今では種々の

美味しい米を生産。キララ397、ゆめぴりか、ほしのゆめ、ななつぼし等々。

北海道産米は低タンパク質でアミロペクチン(餅成分)が多く美味しい。

収穫量が飛躍的に上がった「緑の革命」を担ったのは日本の小麦品種の

「白達磨」、倒れない矮性。日本の白達磨と米国の小麦品種の交配から農林

10号を育成したのが梅恁二郎。終戦の年、この農林10号を米国人博士が

持ち帰り、交配し、Grainesを育成。これを元に新品種が生まれ、世界

の小麦生産量を飛躍的に増大。この「緑の革命」の功績で米国人ボーローグ

博士はノーベル平和賞を受賞。この革命には、品種改良と空気中の窒素を化合

した窒素肥料のW効果で大幅に増収。

     以降講義の養蚕、黒毛和牛の育種生産については省略。

一つ質問した。Q.種子戦争と言われていますが、日本企業はどうですか?!

米国の巨大企業モンサント社には太刀打ち出来ない。しかし、野菜の方面では

結構頑張っていますと言う。主要食糧の小麦等の穀物では歯が立たないようだ。

余談:JR駅自動改札を出る時、ピンポーンと警報。スマホ本体のSUICAと
   ケース装着のICOCAカードが今回、同時反応。何れで支払いますかと。

処で、今日はお袋の誕生日、生きていれば99歳。時間が経つのは速いものだ。

徒然に、あるがままに・・・つくづく述懐。
      雑種交配により、良きmouseが生まれた。しかし、
        育成環境悪く、恣意的飼育により変質、成長した。(無念研究室にて)
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2018年11月08日

昆虫や線虫の生きざまに学ぶU

講座最終回の3回目。2回目の先週の講義は、声質、声量条件により50%

聞きとれず、その2回目は昨年と同じ講師、日本線虫学会会長による線虫の話。

今日、先週分の講義レジュメも配布された。昨年講義とほぼ同じ内容であり、

先週分講義のブログ掲載は割愛した。

今日の3回目は「上手をいくのは虫か、植物か?」。かおりを介した生態学。

女性講師。その内容の一部を紹介。生き物同士の関係性について。

誰と誰が仲が良くて、誰と誰が仲が悪い。

組み合わせ@ 植物+アブラムシ
組み合わせA 植物+アブラムシ+テントウムシ
組み合わせB 植物+アブラムシ+テントウムシ+アリ

@アブラムシは植物にとっては邪魔者
Aテントウムシはアブラムシを食べるから植物とテントウムシは仲が良い関係
Bアリはアブラムシから蜜をもらうから仲が良いが、植物とテントウムシに
 とっては厄介者。

しかし、アブラムシがいなければ、ある植物ではアリが植物の茎内に侵入する。

アリとアブラムシは共生関係であるが、しかし、アブラムシが多すぎる(植物

に害を及ぼす)とアリはアブラムシを食べてしまう。

実に微妙な関係、バランスで成り立っている。

もう一つは時間的関係。アブラナ科の植物に蝶が産卵。幼虫になると植物は食

害にあう。やがて、さなぎから蝶になると蜜を与え、蝶に受粉を委ねる。

次に、植物は匂いを持っている。恒常的な匂いに誘引され昆虫は集まる。

植物には誘導的な匂いもある。例えばヨモギはカットすると匂いの発散が強く

なる。これらの植物の匂いは単一の化学成分で構成されているわけではない。

そしてその発散する匂い成分は時間と共に変化している。

食害の傷有りキャベツと傷無しキャベツではその匂いに違い、変化が生じる。

匂いは昆虫にとって情報になる。モンシロチョウが植物に卵を産み付け、やが

て幼虫になり、産み付けた植物を食べる。食べられた植物は匂いを発散する。

その匂いで幼虫の天敵、寄生蜂アオムシコマユバチが誘引され、蜂は幼虫の体

内に産卵する。その体内養分で成長し成虫となる。コマユバチの生活史である。

では、どうやって寄生蜂は宿主を見付けるのか?! HIPVVOC

実験では同じ植物でも、食べられた害虫によって植物が放つ匂いが異なる。

植物は食害している昆虫に応じて特異的な匂いを放つ。その結果、それに応じ

た天敵が誘引される。この匂いに誘引される習性を利用して農業への応用が行

われている。農薬と異なり人間への害はない。天敵誘引剤を用いて、土着天敵

を圃場に誘引するもの。丁度、箪笥内にぶら下げる防虫剤と同じ要領で圃場内

に設置。 ・・・以降略。      講義終盤の質問時間、質問した。

Q.今日の講義、上手をいくのは虫か、植物か? ですが、植物と昆虫の大き

な違いは脳の有無、上手をいくのは、先生はどちらですか? 

A.植物です!!        (植物、見えない隠脳を持っている?!)

研究者の眼から観れば、植物は手の平の上で昆虫を転がしている、と見える?!

さて今回、どうも講義が少し苦痛になってきた。講師に何ら問題はないが、

何故なら聴感が低下し、その影響で理解が遅れるから。聴き取りに精力、時間

を費やすと時に理解が疎かになる。得手ではないが、読書への移行も考えなく

てはならない。しかし、外出する聴講講義は貴重な場だ。

徒然に、あるがままに・・・つくづく述懐。 
      我、天敵寄生蜂の一刺しに遭った不運な寄主、蝶の幼虫である。(キャベツ畑にて)
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2018年10月25日

講座2つを学ぶ

講座が重なり、今日は2つの講座を学ぶ。その一つは「論語

3回目の講座である。いつもの我が指定席に座る。

「論語を学ぶUの2」。  「憲問第14」の382〜386章。

382章『子曰。賢者辟世。其次辟地。其次辟色。其次辟言』
 「子曰く、賢者は世を辟く。其の次は地を辟く。其の次は色を辟く。
  其の次は言を辟く」           註)辟=避

383章『子曰。作者7人』
 「子曰く、作す者7人」     前382章を承けた句である。

384章『子路宿於石門。晨門曰。奚自。子路曰。自孔氏。曰。
     是知其不可而為之者與』 
 「子路、石門に宿る。晨門の曰く、奚れよりぞ、と。子路曰く、孔氏より
  す、と。曰く、是れ其の不可なることを死りて而も之を為す者か、と。」
                 晨門=番人
385章  長文のため省略

386章『子張曰。書云。高宗諒陰。三年不言。何謂也。子曰。何必高宗。
     古之人皆然。皆薨。百官總己以聽於冢宰三年』

専門家の中の1人の解釈、2章分を紹介

382章
或専門家の訳・・・賢人は乱世を避けて山村に隠れる。(それが最高だ)
 第二等は、乱れた地(国)を去り、治まった国へ行く。第三等は、主君の
 乱れた顔色を見ることをやめ、他国へ行く。第四等は、悪しきことば・主張
 を聞けば、去って他国へ行く、と。

384章
或専門家の訳・・・子路が魯の国に帰国したときの話である。陽が暮れて
 街の城門が閉ざされていたため、やむをえず石門(地名)近くに泊まった。
 夜が明け城内に入ろうとしたとき、門番が「どこから来た」と問うた。
 子路が「孔氏さまのところから」と答えたところ、門番がこう言った。
「とてもできない話であることを知りながら、それでもまだするあの男の
 ところからか」と。     孔氏=孔子

全5回講義、次回は来年2月である。

講義を終え、論語の講座継続を勧められた京都の方と学食で昼食、暫し雑談

後、次なる講義まで1時間30分近く時間があり、一時帰宅。

次なる講座は「昆虫や線虫の生きざまに学ぶ」全3回。各回、講師は変わる。

今日は「昆虫はどのようにして生き延びてきたのか?」 ほんの一部を紹介。

地球上に昆虫は100万種以上生存、一説には200〜300万種とも。

軟体動物 約8万種、甲殻類 約4万種、魚類 約3万種、鳥類 約1万種、

両生類 約7千種、ほ乳類 約5千種。

これらの種は、生存曲線により、晩死型、平均型、早死型に分けらる。

晩死型:ほ乳類   早死型:昆虫、魚類   平均型:鳥類

少なく生んで親が子を守り育てる、多く生んで生き延びたものが育つ。

その中の昆虫は、他の昆虫や鳥などの天敵から種々の方法で身を守る。

隠蔽擬態で身を隠して、逆に徹底的に目立って生きる。目立って「自分は

毒だ」と敵をあざむく。 例:マメハンミョウ

例:毒針を持つ蜂の黒/黄の縞模様で蜂に疑似・・トラカミキリ、スカシバ等

植物の茎、枝、葉、樹皮に擬態するナナフシ。どうして分布域を拡大するか?

よくヒヨドリに食べられる。食べられた抱卵状態のナナフシ、卵は消化され

ずに排泄され、孵化して増殖、分布域を拡大。  以降 略。
posted by tennismouse at 21:37| Comment(0) | 学び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月20日

食と農のバイオ技術

土曜日、次なる講座が始まった。京都伏見区にあるキャンパスに向かう。

今日1日の予定、12時過ぎに同講座修了、その後、学食で昼食後、西国

11番札所の醍醐寺に向かう予定。京都に出掛けるキッカケを掴もうとこの

講座を申し込んだ。勿論、講座内容優先。地下鉄に乗り換え、遅刻の恐れが

あったが20分前に着、しかし、我一人。11名余の受講者が揃い講義が始

まる。講座名は「食と農のバイオテクノロジー」。講師は元神戸大学教授。

第1回目の今日は「育種は人為選択による品種改良である」というお話。

栽培農耕が始まった約1万年前から現在まで人為的に育種が続いているという。

代々の栽培化に始まった遺伝の原理にもとづく品種改良、現在は遺伝情報の

総体であるゲノムの解析が進み農業、医療など生命産業に積極的に用いられ

バイオテクノロジーとして発展している。その技術の未来についても考えると

いうもの。最前列に座る。マイクがあるも使わないから時折、聞き取り難い。

レジュメを元にパワーポイントで講義が進んでいく。約50枚余のスライド。

少しお堅い内容だが、その概略ポイントの一部を紹介。

@世界は人口爆発、現在約75億人、2060年100億人、アジア、アフリ
 カで増加。日本は少子高齢化で農業の担い手不足、農地の減少、耕作放棄地
 の増加で農業総生産額は低下。

A気候変動の地球温暖化 主因が人為的な可能性は95%以上。
 21世紀末には平均気温は2.6〜4.8℃上昇。海面最大82cm上昇。
 日本のみかん、リンゴの産地が北進している。

B日本に食料は溢れ、日本人は飽食のまっただ中。
 家庭から、外食産業から廃棄される食料は1,700万トン/年、14兆円。
 可食部分の食品ロスは500〜800万トン(2010年度推計)。
 日本の米の産量782万トン/年。(品質保持期限の3分の1ルール?!)
 世界の飢餓人口は8.15億人。

C地球上の植物は約30万種。突然変異と自然淘汰で進化。
 人による人為選択で野生種から栽培種への転換が起きた。
 栽培植物の成立、農耕の開始、で文明が発達。1万年前から。

D栽培植物は起源地(世界8地)から、民俗の移動や交流、交易によって伝搬。
 他の地域の近縁植物との交雑により、更に飛躍的な種、栽培植物が形成され
 た。コムギが代表例。栽培作物の近縁種(雑草)が、自然交雑により新たな
 ゲノムを提供することで新たな種から、人による栽培化を経て新たな栽培
 植物が生まれた。

Eこの変化の過程で、非脱粒性、易脱穀性の獲得、休眠性の消失、可食部の
 増大化などは栽培化遺伝子群と呼び、同性質を求めて品種改良されてきた。
 例)トウモロコシ
 非脱粒性・・・・個々の粒が容易に落ちない。
 易脱穀性・・・・皮を剥ぐ、脱穀し易い。難脱穀性にはクルミ、栗など。
 休眠性消失・・・一斉発芽率が高い。原生種は種の保存で一斉発芽率は低い。
 可食部増大化・・原生種テオシント 〜10粒、トウモロコシ 600粒〜
 トウモロコシ、コムギ、イネ、トマト等には栽培変化の度合いが大きい。
 トマト果実の大きさは1つの遺伝子が決めている。
 大豆そのものの製品には遺伝子組み換えではないとある。しかし、豆腐、
 味噌、醤油等の加工食品には組み替え大豆使用は今や当たり前である。
 余談だが「松キノコ」が生まれている。椎茸の改良で香りは松茸。

Fその他
 近代農業は産業化と相まって「選択と集中」が進んだ。が、リスクもある。
 多くの人間がますます少数の植物種によって養われるようになった。
 植物の多様性の衰退、遺伝的多様性の集積地=作物起源地の破壊。
 遺伝的均一化により、大規模な凶作と飢饉の危険性が増大。 
 1845年には、アイルランドではジャガイモ作物の流行病により200万
 人の餓死者等々。多様なイモが植えてあれば全滅は防げる。・
 植物や微生物は、全世界の化学者が総力をあげても太刀打ち出来ないほどの
 多種多様で有用な有機化合物を合成する能力を持っている。しかし今、
 「選択と集中」に代表される野生種の減少が問題である。熱帯湿潤樹林の
 40%以上の消失等によって。野生種は栽培種への遺伝子供給源として
 利用可能なものが多い。生物多様性のための国際条約により自然環境を保全
 し、持続可能な利用を進めるべき。この条約の目標を忘れてはならない。

やはりゆっくり巡ろうということで講義後の西国巡礼地の醍醐寺行きを取り止

め、来春行くことに。駅前デパートをウィンドショッピング、15時過ぎ帰宅。
posted by tennismouse at 18:08| Comment(0) | 学び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする